客先常駐として働いている人で、転職を検討している人がいることだと思います。
しかし、世間の噂では客先常駐では転職できないという話もあり不安になっている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、客先常駐の就労事情を解説しながら、客先常駐が転職するコツについてご紹介していきます。
客先常駐は転職できないのか
客先常駐は一般的に転職できないと言われます。
理由としては、客先常駐は「短期での案件ばかりしている」「上流工程に関わっていない」という経歴で市場価値が低いと判断されてしまう可能性があるということが挙げられるでしょう。
しかしながら、自分は客先常駐だから転職ができないと決め込んでしまっては、いつまでたっても転職をすることは難しいでしょう。
大事なことは、客先常駐の就労事情も受け入れながら、自分が今後どのように転職活動を進めていくのかをしっかり対策することです。
客先常駐の7つの就労事情
客先常駐は転職が難しいと言われるのには、それに裏付けされた客先常駐の就労事情が潜んでいます。
客先常駐には、主に下記のような就労事情があります。
- 給料が低い
- 昇進が難しい
- 下請け現場でテストや運用管理が中心
- 待機期間や帰社日がある
- 勤務先の変動・通勤時間が長い
- 客先の勤務でストレス
- 雇用が不安定
これらのことについて、順に解説していきましょう。
給料が低い
客先常駐で働くと一般的なITエンジニアに比べても給料が低いことがわかります。
下請けの下請けともなればそれだけ受注金額が少なくなってしまうため、結果として客先常駐が受け取る金額も雀の涙となってしまうのです。
また、プロジェクトのない空白期間にも会社はエンジニアたちに給料を払い続けなければならないという事情もあって、客先常駐はそもそもの給与額が低めに設定されてしまっているという背景もあります。
昇進が難しい
客先常駐は、働いていても正当な人事評価につながらないことがほとんどで昇進は難しいと言われています。
通常の組織であれば、人事の評価基準に基づいて上司が部下の評価を多角的につけていくというのが一般的ですが、客先常駐の場合は上司が現場にいなかったり人事考課スキルが皆無だったりという状況が多々あるので、いくら働いてもきちんと評価がされません。
実際、上司がいないということは従業員教育がないということですので、その人に対する評価基準が曖昧になってしまっているのが実情です。
下請け現場でテストや運用管理が中心
客先常駐で働く人のほとんどが、いわゆる下請けのエンジニアになるので人手の足りない下流工程に回されがちです。
下請けであればあるほど、客先常駐の仕事内容はコーディングやテストといったその場限りの運用・管理ばかりになってしまいます。
自分のスキルアップやステップアップを考えている人にとって、客先常駐は目先の仕事ばかりに追われるため成長の実感があまり沸かない仕事であると言えるでしょう。
待機期間や帰社日がある
客先常駐は、プログラムに関わっていない時期などは社内待機をする期間があります。
プロジェクトが始まったタイミングに合わせて上手く客先へ常駐ができれば良いのですが、クライアントの求めている条件にマッチしていないときなどは待機が長引いてしまうということもあります。
また、客先常駐には所属する本社へちゃんと帰社する日というものがあります。
しかしながら、客先常駐で仕事に追われる人たちからすれば、その制度はあまり意味のあるものとは言い難く、むしろそのせいで会社に対して貢献する気持ちや帰属意識が薄れていくという逆の効果が出る可能性も否定できません。
勤務先の変動・通勤時間が長い
客先常駐は勤務先が度々変わることはもちろん、通勤時間が長いことがほとんどです。
そのように客先常駐の場合、勤務先は常に変わる可能性が潜んでいるので、スクールに通ったり自分の家を買ったりということは難しいでしょう。
また、客先常駐は残業した分は次の日出勤が遅めになるなんてこともないので、もし終電ぎりぎりで帰れたとしても、少ししか眠れずにすぐ朝出勤が始まるといった辛さもあります。
客先の勤務でストレス
客先常駐の勤務は、クライアントから受けるストレスと常に隣り合わさです。
下請けという立場もあって、元請けからの嫌がらせや罵倒などがあとを絶たないという事情があります。
客先であるから誰にも相談できずに、中にはストレスを抱えすぎて精神的に病んでしまう客先常駐もいるほどです。
客先常駐は言い返すことのできる立場でないことが多く、何でも自分のせいだと感じてしまう人にとって、この仕事は特に辛いものと言えるでしょう。
雇用が不安定
客先常駐は、場合によっては常駐先の受け入れ拒否なども発生するので、正社員よりも雇用は不安定です。
年を重ねれば重ねるほどその不安定さは顕著に表れ、35歳以上になってしまうと客先常駐では扱いにくいという理由でなかなか受け入れてもらえないということがあります。
クライアント先が変わるたびに新入社員として会社に頑張って馴染むというようなことを毎回繰り返しますので、客先常駐という仕事は特に雇用が不安定だと言えるでしょう。
客先常駐が転職できないと言われている3つの理由
客先常駐が転職できないと世間で言われている理由は大きく分けて次の3つがあるでしょう。
- スキルアップのチャンスに恵まれずキャリアが積めない
- マネジメントに携われない
- 会社への帰属意識が希薄
客先常駐のデメリットとも言えるべきこの3つを順番に解説していきます。
スキルアップのチャンスに恵まれずキャリアが積めない
客先常駐は、通常のITエンジニアに比べてスキルアップできる環境になかなか恵まれないという点があります。
その理由として、客先常駐は職場が変わるたびに仕事内容が異なり最初からになるので、仕事をし続けていても思うようにスキルアップが望めないということが挙げられるでしょう。
特に、ITエンジニアであれば30代、40代以降はマネジメントなどその年齢に応じたキャリアやスキルが求められているのが一般的なので、客先常駐で働き続けても自分の成長にはつながらないと言われています。
マネジメントに携われない
転職でマネジメント経験があれば強いですが、客先常駐で働いているとマネジメントをする機会はほぼありません。
ITエンジニアに限らず、同じ会社に長く勤めていると責任のある中間管理職などを任されて、マネジメント業務に深く携わるようになるのが一般的ですが、客先常駐では責任のある役職に就くという概念がないのです。
転職の面接などでマネジメント経験の有無はよく問われることで、上司や部下という概念が薄い客先常駐にとってはそういった経験や実績が積みにくいので、やはり転職などにおいても不利だとされています。
会社への帰属意識が希薄
採用する会社にとって、その人が会社のために一生懸命働いてくれるのかという「帰属意識の度合い」は人を見る上で大事な指標の一つですが、客先常駐で働いているとその意識はどうしても希薄になってしまいます。
定期的に帰社日を設けて所属する本社に帰ることはありますが、時間のほとんどを客先で過ごす常駐の人にとっては、どちらのために仕事をしているのかが曖昧になりがちで、あまり意味がありません。
会社に対して熱意や愛着がない帰属意識の希薄な人は、採用側からしても雇いにくく転職の面でも採用は難しいと言われるでしょう。
客先常駐が転職をするタイミングはいつがいい?
客先常駐が転職をするタイミングは、自分の担当しているプロジェクトがひと段落したタイミングや次回契約更新を行うタイミングがベストです。
客先常駐というのは雇用形態上、3カ月や6カ月といった月単位で契約を行っていることがほとんどなので、他の仕事に比べても転職のタイミングは自分で調節しやすいというメリットがあります。
とは言え、プロジェクトの途中で転職が決まりそうなのであれば抜けてしまっても構いません。
客先常駐として責任を持って仕事をしている人からすれば、プロジェクトの途中で抜けたら迷惑をかけるのはないかと不安になる人もいるかもしれませんが、民法上では退職をする2週間前以上前に申し出していれば辞めることは可能です。
客先常駐からの転職を成功させる4つのコツ
客先常駐からの転職は一般的に難しいと言われていますが、コツをつかんで転職活動を進めていけば転職を成功させることは十分に可能です。
客先常駐から転職を成功させたいと思う人は、以下のようなコツを知っておきましょう。
- プロジェクトの進行状況と雇用期間を見計らう
- 本社との雇用契約を見直してリスクがないかを確認
- 転職エージェントを利用する
- 引き抜きは本社に確認をしてから
プロジェクトの進行状況と雇用期間を見計らう
転職をスムーズに進めるためにも、客先のプロジェクトの完了時期と雇用期間は事前に自分で把握してタイミングを見計らうようにしましょう。
客先常駐は責任のある仕事をなかなか任されないというデメリットがありますが、ある意味で辞めるタイミングなどは自分で管理しやすいというメリットにもなり得ます。
プロジェクトが終わるタイミングで辞めるという話を切り出したり契約が切れるタイミングの面談などで転職するという話を持ち出したりすれば、双方嫌な思いをせずに後腐れなく転職ができるでしょう。
本社との雇用契約を見直してリスクがないかを確認
客先常駐の場合、自分の雇用契約がどうなっているのか本社との契約書や就業規則などはあらかじめ確認しておきましょう。
なぜなら、自分の勤め先がブラック企業だった場合、損害賠償の請求をされてしまうというようなリスクが潜んでいるからです。
万が一損害賠償を請求するなんてことがあれば、近くの労働基準監督署などに相談すれば基本的には大丈夫だと思いますが、転職活動を始めようとする矢先に思わぬ出鼻をくじかれないように、自分を守る上でも雇用契約に関しては入念に確認をしたほうが良いでしょう。
転職エージェントを利用する
客先常駐の人の転職で強い味方となってくれるのが、転職エージェントの存在です。
休みが不規則になりがちな客先常駐は、土日仕事が当たり前の人もいたり応募する時間すら作れないという人もいたりすることでしょう。
そのような人でも転職エージェントに登録さえしておけば、キャリアアドバイザーが会社への応募を代行してくれたり、面接希望日を調整してくれたりします。
登録も簡単で転職エージェントはおすすめですし、客先常駐という経歴であってもキャリアアドバイザーという第三者からの意見を貰えたら思わぬPRポイントが見つかるかもしれません。
引き抜きは本社に確認をしてから
客先常駐の転職パターンとして、常駐先からの引き抜きという話が出てくるかもしませんが、その場で即決せずに、その話を本社に話を通していいか確認をとるようにしてください。
一般的な優良企業であれば、快く承諾してくれるのでそこで話がこじれることはありませんが、即決で断るような会社であれば引き抜きされたとしてもあまりその先で良い未来はないでしょう。
引き抜きはどこでも起きていることなので、待遇などによっては本社から離れるという選択肢もありですが、そのような場合でも筋を通すという意味で本社に必ず話を通すようにはしておいたほが良いです。
客先常駐からの転職はタイミングやコツを活用しよう!
今回は、客先常駐が転職しにくいとされている理由などを解説しながら、客先常駐の人が転職を成功させるためのコツをご紹介いたしました。
「客先常駐だから転職ができない」という世間の評判に流されて転職をあきらめてしまうのは非常にもったいないことです。
客先常駐での仕事が過酷で耐えれない、もっと成長したいのにスキルアップが望めないということであれば、早い段階で転職活動を進めることをおすすめします。



